古代インドの代表的弦鳴楽器ヴィーナーについて、紀元前後の仏教遺跡の図像資料を手がかりに音楽図像学的考察を行う。

これらの古代ヴィーナーは、ほとんどが弓型ハープである。サーンチー遺跡の一例に角型ハープが存在する。

これらの図像に描かれたハープの構造、弦の取り付け方を詳細に観察すると以下の点が明らかになる。

共鳴体の形・大きさが地方により異なること。演奏者は男性が主であること。この型のヴィーナーが、現在のミャンマーのサウン・ガウと同系であることである。