いわゆる即興演奏の要素が強い北インドの音楽、その中でもアーラープ様式に注目し、代表的撥弦楽器であるスィタールの演奏を以下の方法と観点より分析した。

1.即興演奏を、視覚的にとらえるために記述的採譜を行う。2.使用される演奏技法と即興音楽の進行を分析する。3.使用される技法を、古い音楽理論書などの歴史的史料と比較して考察する。

結論:現代のスィタール音楽の特徴的技法である弦のチョーキングは、ソーマナータ著『ラーガ・ヴィヴォーダ』(16世紀)にまでその源流をたどることが可能である。